
実用新案登録とは何か、特許との違い、実用新案登録出願から登録までの流れ、費用などについて、わかりやすく解説します。
- 本ページの解説動画:実用新案登録とは・実用新案権の取り方【動画】
目次
- 実用新案登録とは?
- 実用新案の具体例
- 実用新案の成功例
- 特許との違いは?
- 実用新案登録出願から登録までの流れ
- 実用新案登録費用
- 実用新案登録出願すべき?
- 実用新案登録出願の注意点
- 実用新案登録に関するご相談
- 関連情報
実用新案登録とは?
実用新案登録とは、「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」の保護を求めて実用新案登録出願し、所定の要件を満たすことで得られる特許庁への登録をいいます。出願された考案について、実体審査を経ずにまずは登録しておいて、侵害品が出た場合など、必要に応じて審査(実用新案技術評価)を受けることになります。
無審査で登録されるといっても、権利の有効性があれば、特許権と同様に権利行使可能です。すなわち、実用新案権者は、登録実用新案を独占的に実施(製造販売等)することができます。権利侵害に対しては、差止請求権や損害賠償請求権などを行使することができます。また、実用新案権を侵害した場合には、刑事罰が科される場合もあります。
実用新案権の存続期間は、出願日から10年をもって終了します。
登録後も、所定要件下、特許出願への変更が可能です。そのため、その機会を失うまでは、あたかも「特許出願中」と類似の状況といえます。つまり、特許出願に変更可能な状況下では、少なくとも「特許出願中」と同じ効果があります。
特許と比較して、手軽に安価にご利用いただけます。
詳しくは、次のリンク先をご覧ください。
- 実用新案は意味がないのか(メリット、デメリット、権利者勝訴例など)(実用新案でも高額の損害賠償請求や差止請求が認められることがある“事実”)
- 実用新案登録は特許出願中と類似の状況!?
- 実用新案登録後の留意点>特許に変更するには
実用新案の具体例
機械、器具、装置、工具だけでなく、たとえば、アイデア商品、日用品、雑貨、調理器具、ペット用品、スポーツ用品、文房具、アクセサリー、園芸用品、家具、介護用品、リハビリ用具なども保護対象です。
特許の対象となるもの(特許の具体例)は、基本的には、実用新案登録の対象にもなりますが、方法や材料自体などは、特許でのみ保護されます。
なお、後述しますように、実用新案権を行使するには、「実用新案技術評価」と呼ばれる審査を受けて、権利の有効性を確認しなければなりません。先行技術と同一でなく、先行技術からきわめて容易に考えられる程度でもなく、しかも最も早く出願する必要があります。
- 特許・実用新案の例(審査をパスした特許・実用新案の実例)
実用新案の成功例
侵害訴訟で実用新案権者が勝訴となった例として、爪切り、ローラースケート用品、足先支持パッド、プレハブ式階段、空調服などがあります。
詳しくは、「実用新案は意味がないのか(メリット、デメリット、権利者勝訴例など)」をご覧ください。
実用新案でも高額の損害賠償請求や差止請求が認められることがある“事実”があります。
特許との違いは?
【保護対象】方法、組成物、合金、化学物質、液体、コンピュータプログラム自体は、実用新案の保護対象ではありません。これらの保護を求める場合、特許出願します。これら以外は、基本的には、特許でも実用新案でも、いずれでも保護可能です。
【実体審査】実用新案は無審査で一旦登録された後、必要に応じて審査(実用新案技術評価)を受けます。特許は、出願とは別に出願審査請求された場合に審査に付され、審査をパスしたものだけが登録されます。
【登録までの期間】実用新案は出願から2月程度です。一方、特許は数ヶ月~数年を要します。
【存続期間】実用新案は出願日から10年です。一方、特許は出願日から20年です。
【費用】実用新案は特許と比較して各段に安いです。
特許との比較、その他の権利との比較については、次のリンク先をご覧ください。
- 特許と実用新案の違い(どちらで出願すべき?)
- 特許と実用新案の費用の比較(特許と実用新案の費用・料金の比較)
- 知的財産(知財)とは?(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などのまとめ)
実用新案登録出願から登録までの流れ
実用新案登録出願があると、方式要件や基礎的要件についての簡単な審査はなされますが、新規性(新しいか)や進歩性(通常考え付く改良改変でないか)などの実体的要件ついては審査されず、考案は早期に登録されます(pdf:実用新案登録手続の流れ図(フローチャート))。
実体審査を経ないため、本来無効となるような権利が登録される場合があります。そこで、警告や権利行使に際して、「実用新案技術評価」と呼ばれる審査を受けて、権利の有効性を確認しなければなりません。
詳しくは、次のリンク先をご覧ください。
なお、先に他人に出願されていると、後で自分が出願しても、有効な権利を取得できず、手間や費用が無駄になります。また、他人の権利が現在も有効である場合、権利範囲によっては、自分が実施すると、他人の権利を侵害するおそれもあります。そこで、できるだけ、出願前に先行技術調査を行います。特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)では、誰でも無料で、先行する特許出願や実用新案登録出願を調査することができます。「特許・実用新案」の「特許・実用新案検索」をご利用ください。
実用新案登録費用
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特許庁費用(特許庁統計による平均的請求項数10の場合) |
代理人費用 | ||
| 出願時の費用(出願時に登録料も納付) | 出願料 | 14,000円 |
事務所により異なります。 |
| 登録料(第1~3年分) | 9,300円 | ||
特許庁に支払う費用は、実用新案登録費用(実用新案の出願から登録までの費用)をご覧ください。
特許出願との費用の違いは、特許と実用新案の費用の比較をご覧ください。
出願手続を特許事務所の弁理士にご依頼の場合、別途、代理人費用がかかります。代理人費用は、現在自由化されており、事務所により異なります。小山特許事務所の場合、次のリンク先をご覧ください。比較的安価に出願いただけるコースもご用意しております。
実用新案登録出願すべき?
実施の有無(製品化の見込み)、先行技術の有無、費用対効果などを考慮する必要があります。
なお、出願は、ご自身でもできますし、代理人(弁理士・弁護士)に依頼することもできます。
(a)出願の必要性、(b)出願を弁理士に依頼するメリット、(c)弁理士の探し方と注意点については、次のリンク先をご覧ください。特許出願についての説明ですが、実用新案登録出願についても同様です。
実用新案登録出願の注意点
(1)実用新案登録出願を完了するまで、そのアイデアをむやみに開示するのは危険です。有効な権利がとれなくなったり、アイデアを盗まれたりするおそれがあるからです。原則として、製品を市場に出したり、アイデアを第三者にしゃべったりする前に、まずは実用新案登録出願が必要です。
(2)実用新案登録は、「考案」の先後ではなく、「出願」の先後にて、一日でも早く特許庁へ出願した者に付与されます(後願でも一応登録されますが、実用新案技術評価で否定的な評価となります)。そのため、できるだけ早く出願することが必要です。
(3)出願後、書類修正の機会や範囲は非常に限られます。
実用新案登録に関するご相談
特許については、特許事務所の弁理士にご相談ください。
弁理士ナビでは、地域や専門で、弁理士を検索できます。
関連情報
- 実用新案登録相談
- 実用新案解説
- 特許とは・特許の取り方
- 意匠登録とは・意匠権の取り方
- 商標登録とは・商標権の取り方
- 知的財産(知財)とは?(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などのまとめ)
- 小山特許事務所のYouTubeチャンネルの再生リスト(YouTubeへの投稿動画を分野別にまとめたもの)
(作成2021.04.03、最終更新2025.09.03)
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